相続放棄での裁判所からの呼び出しに関するQ&A
Q相続放棄をした場合、裁判所から呼び出しを受けますか?
A
家庭裁判所から呼び出しを受ける可能性はあります。
相続放棄をする際、相続放棄申述書と戸籍謄本類等を管轄の家庭裁判所に提出します。
家庭裁判所への書類の提出は郵送でもできますので、この時点では必ずしも家庭裁判所へ行かなくても問題ありません。
そして、家庭裁判所は書類の提出を受けると、相続放棄を認めてよいかどうかの審査を行います。
実務上は、多くの場合において、書類審査のみで相続放棄が認められて終了しますので、家庭裁判所から呼び出しを受けることは稀です。
審査をする中で、書類のみでは相続放棄を認めてよいかどうかの判断ができない場合、家庭裁判所は申述人を呼び出して詳しく事情を聞くことがあります(この聞き取り手続きを「審問」ということがあります)。
Q家庭裁判所から呼び出しを受け得るのはどういったタイミングですか?
A
相続放棄申述書や戸籍謄本類等の相続放棄の申述に必要な書類が揃ったら、管轄の家庭裁判所(被相続人の最後の住所地を管轄する家庭裁判所)に提出します。
書類の提出を受けると、まず家庭裁判所は書類の不備などの形式的な審査をします。
不備や不明な点がある場合には、家庭裁判所は申述人へ(代理人がいる場合には代理人へ)連絡をし、修正や補足等を求めます。
この段階で家庭裁判所に呼び出されることは、通常であればないと考えられます。
次に、相続放棄の申述に至った事情など実体的な部分の審査を行い、相続放棄を認めてよいか否かの検討をすると考えられます。
このとき、家庭裁判所は、相続放棄に申述が申述人の真意によるものであるか(なりすましによるものや、強迫されたものでないか)、および法定単純承認事由(相続放棄が認められなくなる行為等)の有無を確認するため、申述人や代理人に質問状を送付することがあります。
この質問状に対して問題なく回答ができていれば、通常であれば家庭裁判所に呼び出されることはありません。
そして、家庭裁判所が相続放棄を認めても問題ないと判断した場合、相続放棄申述受理通知書が発行され、相続放棄の手続きは終了します。
Q家庭裁判所から呼び出し受ける可能性のあるケースはどういったものですか?
A
「〇〇という事情があれば呼び出す」というような、家庭裁判所が申述人を呼び出す具体的な基準があるとはいえません。
呼び出しを受けると考えられるケースとしては、1つは、質問状への回答に不備がある場合です。
質問状の回答内容が、申述書の内容と食い違っていたり、曖昧なものであったりすると、家庭裁判所はさらに詳しく確認するために、申述人を呼び出す可能性があります。