相続放棄を弁護士に依頼するメリット

文責:所長 弁護士 長谷川睦

最終更新日:2024年02月13日

1 自分で戸籍を集めなくてよい

 相続放棄を弁護士に依頼するといくつかのメリットがあります。

 まず、家庭裁判所に提出すべき必要資料をご自身で収集しなくて良い点が挙げられます。

 相続放棄をするには、戸籍を家庭裁判所に提出する必要があります。

 どのような戸籍が必要かは、相続放棄をする方と被相続人(亡くなった方)の関係によって異なります。

 たとえば、相続放棄したい方が被相続人(亡くなった方)の子の場合、被相続人の住民票除票又は戸籍附票、相続放棄をしたいご本人の戸籍謄本、被相続人の死亡の記載のある戸籍謄本が必要です。

 相続放棄したい方が被相続人の父母や兄弟姉妹の場合には、被相続人の出生から死亡時までの全ての戸籍も必要書類となり、結婚や離婚等で本籍地が変わっていれば、戸籍を順に追って取得する必要あります。

 これらの戸籍を全てご自身で集めるとなると多大な時間がとられることもありますが、弁護士に依頼すれば、その時間の節約になります。

2 相続人となったことを知った時から3か月以上が経過してから相続放棄する場合の説明

 次に、原則として相続放棄が認められない類型の場合に、家庭裁判所に対する説明を任せられる点がメリットです。

 

⑴ 相続放棄をする必要がある時期の原則

 原則として、相続放棄は、相続人となったことを知った時から3か月以内にする必要があります。

 「相続人となったことを知った時」とは、たとえば、ご自身が被相続人(亡くなった方)の配偶者や子の場合には、被相続人が亡くなったことを知った時です。

⑵ 例外に当たる場合の説明

 しかし、相続人となったことを知った時から3か月以上が経過している場合でも、例外的に相続放棄の申述が受理されることがあります。

 たとえば、被相続人と長期間疎遠となっていて、被相続人が亡くなった時には相続の対象となる財産や負債が全く存在しないと認識していたのに、後で借金があると発覚した場合などには、借金発覚から3か月以内に、経緯や法律構成の説明とともに家庭裁判所に相続放棄の申述をすれば、その申述が受理される可能性があります。

 ただし、一般的には、ご自身で適切に経緯や法律構成を説明することは困難です。

弁護士に依頼すれば、弁護士が適切な裁判例を引用しつつ、相続人となったことを知った時から3か月以内に相続放棄をしなかったことが致し方なかったことを説明して、相続放棄の申述が受理される可能性を高めることができます。

3 遺産を処分してしまった場合の説明

 遺産を処分してしまった場合、原則として、相続放棄が認められません。

 しかし、処分した財産の価値が乏しかったり、処分行為の無効や取消しの主張が可能だったりするときは、相続放棄の申述が受理される場合があります。

 たとえば、使い古された衣服数点をゴミとして廃棄しても、基本的には相続放棄できない事由には当たりません。

 また、過去に遺産分割をした場合でも、遺産分割の時点では債務を全く認識しておらず、相続放棄をする方が財産を一切受け継いでいないなどの条件が満たされていれば遺産分割の無効を主張したうえで相続放棄の申述が受理されることがあります。

 遺産を処分している以上、相続放棄の申述が受理されるのは例外に当たるので、家庭裁判所に対して詳しい説明が必要です。

 弁護士に依頼すれば、できるだけ相続放棄が認められるよう弁護士が家庭裁判所に説明します。

4 東海市にお住まいの方へ

 一見相続放棄が難しくても、弁護士が適切に説明すれば相続放棄の申述が受理されることも多いです。

 東海市にお住まいで相続放棄をご検討の方は、お早目にお問い合わせください。

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